目の病気

白内障手術のタイミング

白内障の患者さんに「手術をした方が良いでしょうか?」と聞かれることがあります。
基本的には、視力の程度に関わらず、ご本人が生活や仕事上で不自由を感じていらっしゃらなければ、手術を急ぐ必要はありません。

しかし、以下①②③のように、医学的に手術を急いだ方がよい場合もあります。

① 「閉塞隅角」という、眼内の水の出口が狭いタイプの方。
診察により診断できます。白内障の進行により眼圧が上がりやすくなり、緑内障合併のリスクが高くなります。急性緑内障発作を起こす事もあります。

② 白内障が進行しすぎて、これ以上手術時期を延ばすと、手術自体が難しくなることが予想される方(手術希望がある場合)。

③ 白内障以外の眼疾患や、糖尿病などの全身疾患がある方。
白内障のせいで、糖尿病網膜症や加齢黄斑変性などの眼底検査や治療が困難になります。また、持病が悪化することで白内障が急激に進行したり、手術時期を逸してしまったりする可能性もあります。

また、運転免許の更新予定がある方で、矯正視力が足りない場合は、計画的に手術を検討されることをお勧めします。手術後に視力が安定するまでの期間を考慮する必要もありますし、片目だけ行うのか両目とも行うのか、白内障以外の疾患による影響はないのか、などもゆっくり相談しながら日程を決められるからです。もちろん、更新試験を受けた結果で考えたいという場合もあろうかと思います。その場合もご相談下さい。

医学的理由がない限り、こちらから白内障手術を無理に勧めることはありませんのでご安心下さい。
そして、白内障といっても千差万別なので、気になることがあれば、いつでもご相談下さい。

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